クリスマス当日を前に、とりあえず予定していたクリスマスイベントを一通り終えたぽろちと配偶者。本日クリスマスは何もせずのんびり過ごそうと決め、それなりに自宅でゴロゴロした後、気分転換に散歩に出かけることにした。心なしか自宅周辺は普段以上に静まり返っており、人の往来はまばら。車もほとんど走っていない。イギリスのクリスマスは日本のお正月とほぼ同じで、基本的に自宅で家族と過ごすとは聞いていたが、まさか人通りも少ないとは思っておらず、少々驚いた。そしてエディンバラの中心街に足を踏み入れた途端、冒頭の「本日は休業☆マックもクリスマスだから休暇もらっちゃうよ」になるわけである。
そもそも、いつまでも日本の感覚でいることがダメなのだということは、痛感している。全てとは言わないが、郷には郷に従え、ある程度はイギリスの文化に適応しなければならないことは非常にわかっている。しかし、クリスマスだからといって特別なことはなく、普段通り通常運行している「クリスマスはクリスマスであってそれ以上でもそれ以下でもない」という考えの日本人としては、街中が搔き入れ時の時期にお店を閉めるなんて、なんて怠慢なヤツらだ、と思ってしまうのだ。ちなみにもちろん、文化や習慣の違いだということは理解している。それを踏まえて、あくまでぽろちと配偶者の独断と偏見で語らせていただいているということを、ご理解いただければ幸いである。
閑散としたプリンセスストリート。ゾンビ映画のワンシーンの様である。「なんて怠慢なヤツらだ!喝だね!喝!」とぽろちと配偶者は、シャッターを下ろしてクリスマス休暇を楽しんでいるお店達に喝を入れながら、とりあえずクリスマスマーケットを目指して歩いていた。お店が閉まっていることは既に想定の範囲内であったが、クリスマスマーケットはクリスマス当日も輝かしく営業中だろうと思ったのである。そう、クリスマスに営業しないクリスマスマーケットなんざ、クリスマスマーケットではないのである。しかし、クリスマスマーケットに近づくにつれ、何やら胸騒ぎが…。
…?!
…お分かりいただけるだろうか。
クリスマスマーケットが、休暇中だったのだ。
これは…。いや、こんなことがあっていいのだろうか?クリスマスマーケットと謳っているイベントが、まさかのクリスマス本番に堂々の休暇宣言をするとは…!クリスマスマーケットがクリスマスに働かないとは、何のためのクリスマスなのかわからない。おまけにこれまたまさかの駅まで休暇中。
バスはかろうじて、エディンバラ空港までのバスといくつかの路線は細々と動いている模様。
サンタさん?!
さすがに観光地にあるお店は営業しているだろう…と、ぽろちと配偶者はエディンバラの観光地ロイヤルマイルに向かった。やはり営業しているお店は少ないものの、灯りが灯るお店もちらほら。ホッとしたので、休憩がてらポテトでも食べようか、ということで、営業している数少ないお店の中から、こちらのパブを選択。
残念ながら、ポテトは、ない。どうやらパブは営業していても、クリスマスはフードの提供はなく、ドリンクのみの提供となっているようだ。さらにお昼の3時でラストオーダーのベルが鳴り響く。ポテトでブレイクタイムが叶わず早々にお店を後にしたぽろちと配偶者は、その後特に何もすることがなくこれまた早々に帰宅の途についた。お家でポテトを揚げて食べた次第である。散歩して改めて再確認したが、やはり噂通りイギリスのクリスマスは、街の至る場所が休暇中だった。
ちなみにイギリスでは、クリスマスから1月6日までの12日間はクリスマス。1月6日は顕現日(12夜)と呼ばれ、クリスマスの最終日。この日にクリスマスツリー等を片付けるようだ。まだまだクリスマス期間のため思わず「働け!イギリス!」と言ってしまうこともあるだろうが、日本と違い少々長めにクリスマス気分を味わえるこの文化も、なかなか良いかもしれない。