威風堂々と街を見下ろし風格と威圧感を見せつけ聳え立つ、エディンバラ城。まさにエディンバラのシンボルである。古代から軍事要塞として使用されており、7世紀にエディンバラの名前の由来といわれる「エドウィン王」が居城にして以来、代々のスコットランド王の居城となったそうだ。お城の外観や内部に至るまで、以前ご紹介したドイツの壮麗なノイシュヴァンシュタイン城とは対照的で無骨な印象をうける。ディズニーに出てくるような"お城"をイメージして訪れるといささかショックをうけるかもしれない。しかし、エディンバラフェスティバルではミリタリータトゥーの会場となったり、花火の打ち上げ場所となるなど、実用性が高いことが伺える。
入口の両脇では、二人の人物が迎えてくれる。向かって右に立つのはウィリアム・ウォレス。13世紀、イングランドの支配に抵抗したスコットランドの英雄で、映画「ブレイブ・ハート」では、メル・ギブソンが演じた人物だ。彼はイングランドを次々に打ち破ったが、最後は身内の裏切りにより逮捕され、八つ裂きにされ、見せしめにスコットランド各地で晒されたのだ。そして左には、こちらもスコットランドの英雄、ロバート・ザ・ブルース(スコットランド国王、ロバート1世)の像。彼は亡きウォレスの遺志を継いでイングランドと戦い、スコットランド独立を果たした。スコットランドの英雄に迎え入れられ城内に入ると、高揚感と緊張感にかられる人も多いのではないだろうか。
最も大きい「モンス・メグ」は、重量6トンの巨砲は、15世紀半ばに作られたもので、重さ150キロの砲弾を発射することができたそうだ。
動画でもご紹介した、王宮内のクラウン・ルーム(宝物庫)には、スコットランド王の戴冠用宝器(オナーズ・オブ・スコットランド)が展示されている。戴冠用宝器とは王冠、笏、御剣の3点。これが3種の神器である。17世紀にエディンバラ城が陥落した際、この3点を守るために土中に埋められた。それから100年以上を経た後に再発見され、今日に至る。まさに歴史の重みを感じる展示だ。クラウン・ルーム内の撮影は禁止であるので、参考資料をご紹介しよう。
また、3種の神器の傍らには、「運命の石(スクーン・オブ・ディスティニー)」が置かれている。この石は長い間、スコットランド王が即位する際の玉座として使用されてきたが、13世紀末にイングランド王によって奪われ、以後はロンドンのウエストミンスター寺院に設置されて、イングランドだけでなく、グレートブリテン島のすべての君主の戴冠式に使用されていた。1996年にスコットランドへ返還されたが、次代のイギリス国王が即位するときには、戴冠式のために再びウエストミンスター寺院へ運ばれるそうだ。
見学に疲れたら、先日ご紹介したThe Tea Roomで休憩してみてはいかがだろうか。一見格式が高そうだが、お値段は平均的なので安心して休憩ができる。配偶者はスコーンがお気に入りだそうだ。
見学に疲れたら、先日ご紹介したThe Tea Roomで休憩してみてはいかがだろうか。一見格式が高そうだが、お値段は平均的なので安心して休憩ができる。配偶者はスコーンがお気に入りだそうだ。
以前、夏にエディンバラ城に行った際、チケット売り場でとても待たされ、さらに大雨に降られ、ずぶ濡れになるという最悪の事態に見舞われた。こういう事態に陥る場合もあるので、入場チケットは事前にウェブから購入することをお勧めする。