今はエディンバラ観光地の一つであり、飲食店が立ち並ぶグラスマーケットですが、かつては処刑場でした。
石畳の広場であるこの場所で、公開処刑が行われていたそうです。当時、処刑は娯楽の一つであり、処刑があるとそれを見物に行き、楽しむという時代でした。店名の「マギー・ディクソン」ですが、これは吊るし首になれど死ななかったという伝説の女性の名前マギーから由来しているそうです。『贖われた7ポンドの死体』という映画のモチーフになったバークとヘア連続殺人事件も舞台はグラスマーケットです。
魚の行商であったマギーは、旦那に捨てられたため、親戚を頼りにエディンバラ向かいました。その途中、一時的に働いた宿で、家主の息子との間に子供をもうけてしまいます。しかし、その子供は未熟児で産まれてしまい、どうすることもできなくなったマギーは子供を殺します。マギーはその罪により絞首刑となり、棺に入れられ、エディンバラからそう離れていない、マッスルバラという場所まで運ばれたそうです。その途中、棺から声が聞こえてきて、開けてみるとなんとマギーは生き返っていたそうです。マギーは余生をエディンバラで暮らし、"Half-Hangit Maggie"として有名になったそうです。
店内には、骸骨や吊るし首などの模型が展示されていると聞いていたのですが、ぽろちと配偶者が行った時は、特にそういったおどろおどろしい展示物は一切なく、血なまぐさい雰囲気を感じさせない至って普通のパブでした。他と違うところと言えば、薄暗い、いや、というより暗い。なんだか、暗い話に花が咲いてしまいそうな雰囲気。期待していただけに、少し残念です。
まずは、ビールとサイダーで乾杯です。
こちら、スティッキーBBQチキンです。
配偶者、食べて一言、「これ、辛い!」。これまでエディンバラのパブでは、メニューに辛いと書いてあっても辛くない事が多かったのですが、これはその逆で珍しいパターン。ぽろちは辛いのは大好きなので、美味しく頂きました。
そして、アイアンブルー・プルドチキン・バーガー。
アイアンブルーとは、以前の記事でご紹介しましたが、スコットランドでコーラより人気の炭酸飲料です。面白半分で頼んでみたのですが、期待はずれで普通のバーガーとそう大差ありませんでした。許せないのはコールスローがなぜかバーガーの中に入っていることです。コールスローが苦手なぽろちとしては、何故付け合わせのコールスローが既にバーガーの具としてインしているのか意味不明。バーガー自体はまずくありません。普通のバーガーです。しかし、コールスローがインされているのはちょっといただけませんね。
期待していた骸骨や吊るしクビのオブジェが無く、薄暗いだけのパブだったので居心地はイマイチ。その代わり、他のパブには無い工夫の施されたメニューがいくつかありました。少し変化球なパブ飯を食べたければ、Maggie Dicksonは良いかもしれません。