ゴーストを煽るようなこのバスを、プリンセスストリートの西の端にあるロジアンロード(Lothian Road)や、エディンバラ城とホーリールード宮殿を結ぶロイヤルマイルなどで度々見かけており、前々からぽろちと配偶者は興味を持っていた。だが、なかなか乗る機会がなく、いつも「今度乗ろうね」と言いやり過ごしていたのだが、エディンバラに旅行に来た母と姉が偶然このバスを見つけたのを皮切りに、あれよあれよという間に乗車が決定した。
事前に予約しなくても大丈夫のようだが、ぽろちと配偶者達が乗車した日は、満員。予約せず飛び入り参加しようとした方は乗車できなかったため、確実にバスの乗客になりたい方は、ウェブサイトから予約しよう。ツアーは毎日運行しており、日曜から木曜は19時半のみ、金曜と土曜日は19時半と21時の2回運行されているようだ。ちなみに気になる料金は、大人£16、子供£12、学生£14、ファミリーチケット(大人2名と15歳以下の子供2名)£45となっている。
バスの乗車場所は、スコットランド国立博物館に面したチャンバーストリート(Chamber St.)だ。
エディンバラの忠犬ハチ公ことボビーの前で軽く記念撮影を済ませた後、早速ぽろちと配偶者、そしてぽろちの母と姉は、バスの乗客の一員としてバス乗り場に向かった。19時15分頃に到着したのだが、既にバスは来ており、バスの前には興奮状態の乗客がテンションMAX状態で並んでいた。ぽろちと配偶者達も負けずにその一行に加わったが、テンションの高さには勝てず。予約が取れた時点で席に座れないということはないと思うが、席は早い者勝ちなので、座りたい席がある方は、早めに並ぶことをお勧めする。混雑状況にもよるが、19時前後に到着すると、早めに座席に座れるだろう。
2階席に席をキープしたぽろちと配偶者一行は、バスが発車するまで車内の中の甘ったるい匂いにノックダウン。幽霊が出そうな雰囲気を演出しているのだろうが、空気が悪くとてもくさかったので、ぽろちはこの時点でバス酔いしていた。ちなみに、席は4人掛けのボックスシートと、2人掛けのシートがあった。
そして、時間になり、ガイドのジャスパーが登場。テンションMAXにしないと仕事として成り立たないのはわかるが、とてもテンションMAXだ。乗客達は、大喜び!ジャスパーはバスの後ろにある乗り口におり、彼のガイドはカメラを通して、1階席と2階席の前方に取り付けられたテレビに不気味に映し出される。
バスはスコットランド国立博物館を出発し、ニュータウン方面へ。 第一幽霊ポイントは、以前紹介したDeacon Brodies Tavern。ジキル氏とハイド氏の話を聞きながら、プリンセスストリートを越えてジョージ・ストリート(George St.)へ。この道で紺のコートを着た女性の幽霊が出るとか出ないとか。ストーリーが浅いのと、全て英語が聞き取れる訳ではないので、残念ながら全く怖くない。続いてロジアン・ロード(Lothian Rd.)にでて、バスはSt Cuthbert's Parish Churchの前で一旦ストップ。このツアーで唯一、バスの外に出られる時間だ。ここはお墓なので、それに因んだ怪談話や、写真撮影すると幽霊が写るスポットを教えてもらえる。
後半は、ドライバーという設定のクレイジーなアンガスが登場したり、目を付けられたお客さんがいじられたりしながら、グラスマーケットを通り、ウェイバリー駅、そしてカールトンヒルにホーリールードなどエディンバラの観光名所を、それぞれの怪談話を交えながらツアーは進行。
終盤では、途中で聞いていた、髪がびしょぬれで香水の香りの強い女性がバスに乗ってきたという話が伏線となり、実際にその幽霊がバスに乗って来てしまう、という演出がある。本当に甘い匂いがバスの中を包んだり、音を使った効果や、正面のテレビに幽霊がチラッと写ったり等、怖がらせる工夫に余念はない、といった感じであった。再びスコットランド国立博物館前に戻ってきて、ツアーはおしまい。大体1時間15分ほどのツアーであった。
匂いのせいで車酔いしたこと、英語に集中したこと、ジャスパーに目を付けられていじられないようにしていたこと等から、バスを降りるとどっと疲れがでたが、お客さんはみんな大はしゃぎで大満足といった感じであった。このバスツアーはガイドのジャスパーのトークがメインであるために、英語がまあまあ聞き取れる人でないと楽しめないかもしれない。そして、ツアーはエディンバラの観光スポットをほとんど回るのだが、10月中旬の夜20時では、かなり暗いため景色はほとんど見えなかった。
正直、また乗りたいか、といわれるともう良いかな、という代物であったが、1時間弱でエディンバラの主要な観光地を回れるのは、良かったと思う。ホラー好きな方は挑戦してみては如何だろうか。